10月の終わり、名古屋のまちのあちこちで、仮装した子どもたちが「トリック・オア・トリート!」と声をあげます。
迎えたお店の人が、お菓子をひとつ手渡す。
たったそれだけのやりとりだけれど、まちじゅうがワクワクであふれる2日間があります。
その名も、「名古屋ハロウィンラリー」。
名古屋ハロウィンラリー実行委員会が開催する、まちをめぐるイベントです。
今年で7回目、10月24日(土)と25日(日)の開催です。
私たち堀商店も、この輪のなかにいます。
とはいえ、主役はまちと、お店と、子どもたち。
今日はまず、この2日間のご案内を。
そして最後に少しだけ、「ところで、なぜこんなことを?」というおはなしをさせてください。
10月24日・25日、名古屋のまちがまるごと会場になります
名駅のあたりから、円頓寺周辺、丸の内、伏見、納屋橋を抜けて、久屋大通公園まで。
路面店も、商店街も、ショッピングモールも、ふだんはあまり交わらないお店どうしが、この2日間“子ども”をきっかけにひとつにつながります。
メイン会場は、久屋大通公園(Hisaya-odori Park)のシバフヒロバ。
遊び方は、とってもシンプル。
- 参加証を持って、加盟店で「トリック・オア・トリート!」と、合言葉を伝えると、お菓子がもらえます(小学生以下・保護者同伴必須・仮装は推奨)。
- お店で使ったレシートを該当の受付にみせると、抽選に参加できます。1枚で1口。景品はその日のお楽しみ。
- まちのあちこちの拠点では、パラバルーンやキッズネイル、子どもカラオケ大会などの周遊プログラムも(いずれも予定)。
参加は、今年から有償になりました。
料金は1組500円(大人1名と、小学生以下の子ども3名まで)で、2日間ともこの一枚でまわれます。
お支払いはPayPayか現金。
申し込みは、中日新聞のアプリ「Lorcle(ロークル)」の記事から、いつでも受け付けています。
加盟店のマップや、各エリアの詳しい案内、公式キャラクター「ハロにゃご」についてなど、公式サイトにはぜんぶまとまっていますので、ぜひ一度のぞいてみてくださいね。

歩いて、もらって、また歩く。2日間の楽しみ方
このイベントのおもしろいところは、スタートやゴールがないところ。
どこからはじめて、どこで終わってもOK。
まちのあちこちにお店と拠点や企画が点在していて、参加者は歩いてはお菓子をもらい、拠点にたどり着いて休んだり、楽しんだり、そしてまた次のまちへ歩き出す。
気合いの入った方は、2日間のまわり方を前もって計画して、複数のご家族やお友だちとまちを巡っていきます。
今年は、初めてキッズダンスステージもあります。
開催は土曜日(10月24日)だけですが、なんと中日新聞本社ビル6階のホールをお貸しいただけることに。
さらに、中日ドラゴンズ、名古屋グランパス、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、と名古屋を代表する3つのスポーツチームのキッズチアが集結することになりました。
ダンスイベントから公園やまちに流れて、秋の夕暮れのなかハロウィンを楽しむ。
そんな動線を用意しています。

ところで、なぜこんなことをしているのか
はじまりは、コロナ禍の1年目でした。
お祭りもイベントも軒並みなくなって、縁日の景品やおもちゃをあつかう私たち堀商店も、正直、とても大変な時期でした。
そんなとき、お客さまであるPTAのお父さん・お母さんから、こんな声が届きました。
夏休みなのに、何が許されるのかもわからなくて。お祭りもなくて、子どもたちがつまらなそうにしていて。
何か、安全に楽しめるものを用意できないだろうか。
「三密」という言葉が飛び交っていた頃です。
一か所に集まるのではなく、まちを歩いて散らばりながら楽しむハロウィンなら、密をつくらずにやれるかもしれない。
そう考えて設計したのが、このラリーの原型でした。
初年度は、堀商店1社で始めました。
お店に飛び込みで声をかけてまわり、集まったのが20店舗ほど。
参加してくれたのは、堀商店のお客さまを中心に100人ほどでした。
そこから少しずつ仲間が増えて、第3回からは今の「実行委員会」形式になりました。
堀商店も実行委員会の一員となり、イベントはまちのみんなのものになっていきました。
何年か続けてコロナが落ち着いた頃、あらためて考えました。
これは、いったい何のためにやっているのだろう、と。
お店の人と子どもが、ひとことでも言葉を交わす。
すると子どもにとって「お菓子をくれたおじさんのお店」「やさしくしてくれたお姉さんのカフェ」という想い出が、まちのなかに増えていきます。
それはつまり、子どもが困ったときに駆け込める先が、まちのあちこちにできるということです。
そのためここ2年ほど、このラリーを、「防犯・防災」のイベントとして位置づけています。
とはいえ、参加するみなさんに「これは防犯・防災のためのイベントです」と力説するつもりはありません。
まずは楽しんでもらう。
その楽しさの積み重ねが、結果として子どもたちの小さなお守りになっていく。
そんな順番でいいと思っています。

今年は、そこから一歩だけ踏み込みます。
愛知県警西警察署さんと連携して、10月15日(木)に「駆け込み訓練」を予定しています。
もし子どもが駆け込んできたら、お店の人はどう声をかけ、何を聞き取って、警察にどう伝えるのか。
その動きを実際に訓練して、テキストと動画にまとめ、加盟店のみなさんにお配りします。
それから、このラリーはこれまで、参加費も出店料もなく、協賛でいただくお菓子を中心に配ることで成り立ってきました。
ありがたいことに、参加してくれる方も、加盟してくださるお店も、年々ふえつづけています。
去年は、雨のなかでも約8,400人の方が参加してくださいました。
しかしこの数年、協賛のお菓子だけではとても足りていなかったことを、あとから知りました。
これまで「お菓子はなくなったら終わりでいいですよ」というお声がけで運営していたのですが、お店の方が「せっかく来てくれた子にお菓子がないのはかわいそうだから」と、自分で買い足して配ってくださっていたのです。
これは、いかん。
お店の善意に甘えて、負担ばかりを大きくしてしまっていた。
そう気づいて、今年から有償にすることを決めました。
いただいた500円は、運営側がお菓子を用意する費用にあてます。
お店で足りなくなりそうになったら連絡をもらい、学生スタッフが届けにいく。
そんな仕組みです。
有償にしたことで、もうひとつ、うまれたルールがあります。
「大人1名につき、子どもは3名まで」という、人数の決まりです。
じつはこれまで人数の制限がなく、おひとりの保護者さんでたくさんの子どもたちを連れて回る、少し心配な様子を見かけていました。
まちを歩くイベントだからこそ、まずは安全、安心に。
この人数のルールは、子どもたちを見守る目を行き届かせるための、ささやかな線引きでもあります。

仕掛けているのは、まちのおとなと、学生たち
このイベントを動かしているのは、名古屋ハロウィンラリー実行委員会です。
実行委員会のメンバーは、ふだんはそれぞれに本業を持つ社会人と、三幸学園グループの専門学校の学生さんたち。
みんな、本業のあいまに集まっています。
おもしろいのは、それぞれが自分の本業のよさを、そのまま持ち寄っていることです。
スイーツやカフェ、ビューティー、スポーツ、保育や調理を学ぶ学生さんたちは、受付や各拠点のプログラムを、学びのすぐそばで運営してくれる。
飲食やものづくり、事業開発にメディア。
運営にいるさまざまな業種の大人たちは、いつもの仕事で培った経験や日ごろのもてなしを元に、子どもたちのために全力を尽くしてくれます。

私たち堀商店も、その一員です。
縁日の景品やおもちゃを扱う問屋ですから、お菓子や景品まわりのことなら、いくらかお役に立てます。
たとえば毎年のフォトブースは、前の晩、それぞれの仕事を終えたメンバーが集まって、足場を組み、飾りつけをして、手作りでこしらえます。
だれかが本業でやっていることを、少しだけ子どものほうへ向けてみる。
その小さな持ち寄りが集まって、まち全体のイベントになっている。
そう思うと、なかなかいいものだな、と胸があたたかくなります。

10月24日と25日、名古屋のまちで。
仮装した子どもたちが「トリック・オア・トリート!」と声をあげたら、どうか、お菓子をひとつ。
お菓子と一緒に手渡すのは、その子にとっての“知ってるお店”が、まちにひとつ増えるということ。
いたずらを企む子どもたちを想う、舞台裏。
お菓子ひとつぶんの「知ってる」を、まちじゅうに。
今年もどうぞ、よろしくお願いします。
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